2012年01月07日

日本からのアザーン(岡山県)


 
 これは日本国内で、日本人が行うアザーン、という珍しいケース。 


 


 中東風の出で立ちで美声を響かせる日本人ムアッズィン(アザーンをする人)は、アブー・ハキーム前野師。


 これは、2011年11月29日に岡山県の黒住教本部神道山にて開催された、第33回「世界連邦平和促進全国宗教者岡山大会」プログラムのひとつ「ヒーリングコンサートVIII」にて、師が披露したもの。


 もちろん参加者のほとんどは、別の宗教に属する人たち。


 場所は日本、ムスリムでもない日本人の前で、日本人がアザーンをする、というのは非常に画期的。


 
 なお、このアブー・ハキーム前野師、日本のムスリムでは知らない人がいない位の有名人である。



 日本のイスラームの歴史は非常に浅く、記録に残っているもので最古の改宗者が20世紀後半、というもの(しかし、それ以前にも間違いなく改宗している日本人はいるはず)。


 そして改宗者が顕著な増加を見せ始まったたのが、1980年代あたりからの、中東・インド亜大陸地域からの外国人労働者の流入。


 それに伴い、外国人ムスリム・日本人女性との結婚が増え、結果的に在日ムスリム・日本国籍を有するムスリム数は増えた。


 また、1990年頃から急激に伸びた、インドネシア人研修生・留学生数の増加も、ムスリム数の増加に一役買っている。


 つまり、現存している日本国籍を有するムスリムの多くは、改宗者か、彼らの子供であるその次の世代。その数は現在、数千人、と言われる。


 事実上、日本人ムスリムとは、日本社会にとって非常に新しい(そして変わった)存在である。


 そしてイスラームという宗教は決して「砂漠の宗教」「中東の宗教」ではないが、別の次元において、現代日本人にとっては「新しい宗教」「変わった宗教」である。


 というのも、そのような宗教が、日本にはなかったからである。


 このイスラームという宗教、その基本は非常にシンプルながらも、人生を個人・社会レベルに至るまで、あらゆる側面を詳細に扱っている。


 一般人にもよく知られているお祈り、断食、マッカ巡礼などの崇拝行為だけではなく、人との付き合い方・品格・マナー・信仰・心に関することから、食事・結婚・相続・売買取引・社会法・刑法・政治・軍事・国際関係などに至るまで、(ムスリムがそれを実践するかどうかは別として)詳細に渡って教示しているのである。


 これは、個人の人生、あるいは人類の人生における、一つの包括的な「マニュアル」と言ってもいい。


 しかも、その原典が変わっていないため、その教えも1400年以来変わらず、全世界でほぼ均質な教えが広がっている。


 日本における、その「新鮮さ」「風変わりさ」は、イスラームが一種、既存の「宗教」概念を超えるものであり、そのようなものが身近にはなかったゆえのものなのだ。


 女性のスカーフ、男性のヒゲ、豚肉の禁止、一夫多妻、といったことは、決してイスラームの「根本的部分」ではない。
 

 そして誰でもそうだが、新しいものを学ぶ時、しかもそれが非常に広範囲にわたり、かつ奥深い性質をもったものである時、それを学ぶことに困難を見いだすものである。


 何よりもまず意志の強さと信心深さ・純真さ、それから頭で学習するだけでなく、良い環境の中で心身をもって体験しつつ過ごす、一定の時間が必要だ。そしてそれは、誰もが出来ることではない。


 基本的に証言の言葉さえ口にすればムスリムにはなれるが、そこから「十分な知識を備えた信仰者」となるのは、容易ではない。事実、それは「生まれつき」のムスリムでも、同様である。


 そのような中、恐らく‐この日本におけるイスラームの短い歴史を通して‐もっとも傑出した日本人ムスリムの一人が、このアブー・ハキーム前野師である。


 師はもともと宗教的関心の強かった人物で、年若くしてイスラームと出会い、改宗した。


 そして改宗してからというもの、イスラームへの純粋な愛情を原動力として、持ち前の語学力・学習力を生かし、シリアで数年間、イスラームを学ぶことに努力をつぎ込んだ。


 そして現在は、留学生活で培ったものを、同世代・次世代に伝えると同時に、イスラームを一般の日本人にも紹介する努力をしている。


 信仰心・知識・それを他者へと発信する力において、飛びぬけた人物。

 
 そしてシリアで学んだ日本人ムスリムには、他にも色々とすごい人たちがいる。


 自分にまず言い聞かせなければならないが・・・サウジ留学生も頑張れ演劇!! 


 以下は、アブー・ハキーム前野師のサイト: 
  

 http://blog.goo.ne.jp/islamforjapanese



 アザーンの意味については以下を参照:

 http://saeedmoritania.seesaa.net/category/10852848-1.html


posted by サイード at 04:40 | Comment(1) | TrackBack(0) | 世界のアザーン | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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