2013年04月14日

マディーナ日帰り一人旅C



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イジャーバ・モスク




 アブー・ザッル・モスクでタヒイヤト・アル=マスジド(モスクに入った時に行うことが勧められている、2ラクアの任意の礼拝)をした後は、これまた僕の希望で、イジャーバ・モスクへ。


 これまた預言者モスクの近くにあるモスクだが、アブー・ザッル・モスクよりは大きくて立派な造り。


 バヌー・ムアーウィヤ部族の地区に位置している為、「バヌー・ムアーウィヤ・モスク」とも呼ばれ、伝承の中でもこの名で登場する。


 このモスクの謂われは、こうである:


 ある時、預言者ムハンマドはこのモスクを通りかかり、中に入って2ラクアの礼拝をし、長い間アッラーに祈った。


 それから教友たちの方を振り向くと、こう言った。


 「私は、我が主に3つのことを祈ったが、2つは叶えられ、1つは禁じられた;


 私は、我が共同体が旱魃で滅ぼされることがないよう祈り、それは叶えられた。


 また、我が共同体が水によって滅ぼされることがないよう祈り、それも叶えられた。


 そして、彼ら(彼の共同体)が互いに戦って殺し合うようにはならないことを祈ったが、それは叶えられなかったのだ。
」(ムスリムの真正集2890)


 この伝承は正しい伝承経路で残されているものであり、「イジャーバ(語義的に、叶えること、答えること、といった意味)・モスク」という名称の由来となったもの。


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モスク内部のようす



 その後も預言者は、何度かこのモスクで礼拝したと言われる。


 特にこのモスクで礼拝することが、宗教的な徳とされているわけではない。


 しかし、たとえ場所を同じくすることだけであっても、その言葉が当時の情景と共に印象的なものとなり、心により強く訴えかけるものとなるなら、そこには利益があろう。


 しかも、前述の伝承はまさに後世のムスリム世界について言い当てているのであり、現代ムスリム世界の悲惨な状況にも如実に当てはまっているではないか。


 全ては神の思し召し。


 しかし、預言者との場所との共有、彼がそこで語った言葉の共有、そしてその言葉が現実化した時代という要素が積み重なれば、自分自身のムスリムとしての至らなさを始め、ムスリムとムスリム世界の凋落からの救いを求める祈願にも、自然と身が入るというものである。


 このモスクでは、マグリブ(日没直後の礼拝)をやった。



 モスクを出てからは、Aさんに先ほどのアブー・ザッル・モスク周辺で降ろしてもらい、お別れをした。


 忙しいだろうに、半日も付き合ってもらい、ありがたい限り。


 時間は夕方7時ごろ。


 リヤドへ戻る便飛行機は、午後11時45分発。


 とりあえず疲れた体をリフレッシュぴかぴか(新しい)し、イシャー(夜の礼拝)は預言者モスクでやり、そこに少し滞在したかったので、その付近に安宿ホテルを探す。


 家族が出来てからというもの独身時代からはほぼ無縁だった、汚なめで手ごろな宿泊所を探すことは、昔の新鮮な気持ちを蘇らせ、どことなくワクワクるんるんした。


 インド亜大陸系の宿泊客がよく泊まるらしい、一泊50リヤル(約1300円)のホテルにチェックイン。


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 ベッドが2つある、小さくて、お世辞にもきれいとは言い難い部屋だったが、どうせ3時間くらいしかいないし、自分1人なのでこれでも十分すぎる。


 ただ、肝心のシャワーの水の出が非常に悪かった。


 また、睡眠不足でお腹の調子がそんなによくないところに、昼ごはんでビーツを食べ過ぎたのが祟ったようで、ひどい下痢が始まったふらふら


 ホテル内は建物内に入った時点で、インド系香辛料の匂いに満たされていた。


 廊下で、インド亜大陸出身らしい、サリーを着たヨボヨボのおばあちゃんを見た。


 このような人たちを見ると、格安、汚い、という言葉も自重したくなる。


 きっとムスリム世界の大半の人たちは、彼女のような経済的背景の人たちであろう。


 ハッジ巡礼の数日間のために、何百万円もする豪華パッケージに参加するのは、宗教的なこと以前に、常識や節度を逸していると言わざるを得ない。


 しかしそれが合法なこととはいえ、普段から豪華な高い宿泊所ばかりに泊まっている人たちも、時にはこのような場所に宿泊、いや訪問するのもよいことだと思う。


 そうすることが、アッラーのご命令である「様々な民族がお互いに知り合うこと」(クルアーン49:13参照)という目的を達成させる大きな原因となるだろう。そしてその目的のひとつが、自分が授かり、おろそかにしている恩恵に対する感謝の念、同情すべき状態にある同胞に対する慈悲の念と、善行の促進なのだ・・・。


 
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 預言者モスクは徒歩数分の距離だったので、イシャーはそこで行う。


 しかし下痢などで体調が悪く、礼拝の動作にも困難を感じた。


 試しにラウダ(預言者廟と説教壇の間の、特別な区域)に赴いてみるが、今回も女性のための時間。


 それがちょうど終わり、男性用に開放されるところだったが、敷居が取り払われるまで時間がかかるのと、混雑、体調の悪さから、あきらめてそこを後にする。


 最後に、預言者ムハンマドとその偉大なる教友2人に挨拶し、モスクを出た。



 ホテルから空港飛行機までは、マディーナのイスラーム大学で学ぶモロッコ人の友人が送ってくれ、空港には10時ごろ、早めにチェックイン。


 マディーナ空港は小さいのでリヤド空港であったようなことは余り心配ないが、それでも何があるか分からないので、早めに準備して安心しておこうと思ったのだ。

 
 疲れた体を空港内の礼拝所で横たえているうち、眠り眠い(睡眠)に落ちる。


 携帯の目覚まし携帯電話で目覚めた後も、また眠りに落ちそうになったが、搭乗ゲートが開いたのを確認し、無事フライトに乗り込む。


 機内では、午前1時のリヤド到着寸前まで眠りに落ちた。


 
終わり






posted by サイード at 14:41 | Comment(4) | TrackBack(0) | サウジアラビア日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
サイードさんお疲れ様です。
私がハッジに行ける頃にはマディーナまで鉄道が通っていると思いますが、24時間運行していれば大助かりです。
Posted by ジャアファル如月 at 2013年04月14日 18:59

 ジャアファルさん
 コメントありがとうございます。
 ハッジ、早く行けるといいですね。
 その時が来るまで、準備にお励みください。
Posted by サイード at 2013年04月14日 22:52
アッサラーム アライクム
はじめまして、2007年から日本に留学しているサウジアラビアからのマージドといいます。
私でもよりサウジのこと詳しいのサイードさんのブログを見てびっくりしました;)
وأود التعاون معكم إذا رغبتم في مجال الدعوة في اليابان باللغة اليابانية
أرجو المراسلة على البريد الإلكتروني
hoawi@hotmail.com
جزاكم الله خير،،
والسلام عليكم ورحمة الله وبركاتع
Posted by ماجد at 2014年03月06日 18:15
ワアライクムッサラーム
返事が遅れて申し訳ありませんでした!
ブログはしばらく、というか丸一年ほど、ほったらかしにしていました・・・。
日本語がお上手ですね!
ツイッターはやっていますか?
もしよろしければ、ツイッターで連絡を取り合いましょう。
私のアカウントは、@SaeedSatoです。
Posted by サイード at 2014年04月21日 20:53
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